【中途入社者:早期戦力化マニュアル】
こんにちは、キーブイ・カンパニーの伊富貴です。
企業様向けに作成をした、「中途入社者受け入れのためのマニュアル」となります。
ぜひ受け入れの際に参考になればと思いますので、下記に記載させていただきます。
※伊富貴が作成をした内容になりますので、転用等はお控えくださいませ。
■概要
中途採用、経験者だからと言って環境を整えないと戦力化には至りません。また前職の経験が邪魔をして、組織に馴染めなかったり、実力が空回りすることも多々あります。受け入れ態勢を整え、早期戦略化のためのサポート体制を構築することをお勧め致します。
■前提として (即戦力×早期戦力化〇)
もし経験者であったとしても、「即戦力」という人は基本的に存在しません(という気持ちで受けいれたほうが得策です)。特に営業や技術系の職種は仕事の進め方や製品、サービスが各企業によって大きく異なりますし、会社として大事にしている点は各会社によって様々です。「即戦力」ではなく、「早期戦力化」してもらうために良い受け入れを行うことが重要となります。
■なぜ受け入れの期間が重要か?
入社時の転職者のモチベーションは高く、一方で会社のネガティブな情報に免疫がありません。この期間を上手く活かすことが出来れば、早期に戦力化が出来、またポジティブ社員として会社にコミットした人材になる可能性が高まります。
■受け入れ編
・周りへの周知
100名以下の組織では、必ず事前に新しい方が、どのポジションで入社されることを周知させましょう。入社後に「あの人は誰?」とリアクションされるような事が無いように心がけましょう。
・入社後のスケジュール立案
入社後最低でも3日分、出来れば1~2W分のスケジュールを立てましょう。
入社後に「何をするか」が決まっていないと転職者は不安になりやすく、組織へのイメージも変わってしまいます。以外に盲点なのは、ランチ会や歓迎会の日程です。
入社後すぐは仲間がいない状態です。入社日にランチを一人で食べさせるような事が無いよう、事前にスケジュールを立てておきましょう。
・歓迎(ウェルカム)感を出す。
歓迎ボードの作成や当日の朝礼の実施、関係者への挨拶周りの実施など、入社早々に組織に歓迎されている風土を作りましょう。また入社日当日は早めに出社して転職者を出迎えましょう。上司や社長がその時間に外にいるときは必ず電話を入れて歓迎しましょう。歓迎感を出すことでモチベーションが大きく上げる事が出来ます。
・入社時の挨拶
転職者にも当日挨拶を行うことを事前に伝え、準備をさせておく事も良いです。最初の印象はとても重要なので、良い挨拶をさせることで、その後に早く組織に受け入れてもらいやすくなります。
※良い挨拶とは、笑顔で、コンパクトに、経歴と個人情報(趣味など)などを伝え、聞いている人が共通点を見つけられるような内容を指します。また入社への感謝の気持ちを伝えると周りには好印象です。
・入社1W程度はネガティブなワードを使わない
転職者は基本的に全員が、入社した会社で活躍したり、長く働くことを期待して、入社します。
当然会社には、会社ならではの課題やネガティブな部分が存在しますが、信頼関係が無かったり、免疫がつく前(1週間~1カ月程度)にネガティブな発言は避けましょう。
※例
「うちの会社は○○だから。。。」「みんなこの辺は苦労するよ。。。」「〇〇さんには注意」など。
最初に言う必要が無いことを伝えるよりも、改めてやりがいや働きやすさなどポジティブなワードを使いましょう。
またネガティブな発言をよくする社員とはなるべく近づけないようにしましょう。
聞きたくなくても聞こえてしまったという転職者の声は非常に多いです。
■期待値編
・期待のし過ぎに注意
中途入社者には「即戦力」「出来る人」というレッテルが貼られています。
しかし、モノづくりへの考え方やスタンス、使っていた機械やお客様など、前職と違うものは多数あります。「即戦力なので、任していても大丈夫なはず・・」ではなく、自社の考え方や仕事の進め方は丁寧に説明しましょう。また転職者にはすぐに改善や結果を求めるのではなく、数カ月は一旦把握するまでの期間であることを説明し、焦らせないように注意しましょう。焦ると組織と衝突したり、空回りしたりする可能性がありますので、要注意です。
■即戦力化編
・仲間をつくる
転職者が入社後社内で知っている人というと面接官をしてくれた上司と人事くらいしかいません。それ以外は誰も知り合いがいないはずなので、早期に気軽に話せる仲間を作る事はとても重要です。
大事なのは、「ある一定の同じ時間を過ごさせ、仲良くなるための時間を会社側が意識して作ってあげる」ことです。同じ趣味(釣りや野球)の方と交流させたり、上司との飲み会やランチ会を実施させたり(1回分は会社負担でも良いと思います)するのも効果的です。
・横のつながりを作る
入社後、他部署を回らせる期間を入れたり、いろいろな人と同行期間を入れたりするなど、仕事の流れの把握や横のつながりを作る期間を作ると効果的です。
・オンボーディングを行う
オンボーディング(on boarding)とは、船や飛行機などに乗り込んでいる状態を語源とする人事用語です。会社を1つの乗り物と捉えて、新たな乗組員を戦力化していくための活動全般を指します。そのためには社長や上司から会社の考えや理念、期待していることを伝え、ミッションを明確にすることが重要です。
オンボードのやり方は、下記3点が一般的です。
- 会社のスタンスやあるべき目標を共有する
- 入社後半年後の転職者のあるべき姿を共有する
- 転職者のポジションとミッション(数字目標でも可)を明確にする
・入社後の面談の実施
入社後最初の3か月で数回は個別面談を行うことが重要です。
「即戦力なのでこれくらいはやってほしい」ではなく、最初の3か月はどんな転職者でもお互いにフィットさせる感覚で対応すると良いと思います。早期戦力化さえ出来ればその後は勝手に動いて成長していきます。
逆に受け入れが失敗し、退職したり、ネガティブ社員になっては折角採用した意味がありません。
面談は現場の上司・先輩だけでなく、人事や第三者を交えるなどが適宜介入することが効果的です。
・入社後面談の注意点
面接では現時点の不安や気になっている事を聞いておきましょう
入社したからと言って、転職者はその会社に完全にコミットしている訳ではありません。
転職者は面接を通じて、その企業の一部を見ていたに過ぎません。
また内定から入社までの期間(大体2週間~2カ月程度)に転職者は不安な点が出てきます。
入社前に改めてHPや口コミサイトを見て不安になる事も充分考えられます。入社後すぐであれば、誤解を解いたり、不安を取り除くことも容易に出来ます。入社後すぐの期間を大事にしていただければと思います。
「良い受け入れ」を行うと、次はその人が「良い受け入れ」を自発的に行うようになり、
良いスパイラルが出来ます。
これにより離職率や活躍率が大きく変化致します。
上記のような考え方や採用活動は殆ど費用の掛からないものであり、ほぼ全てを実施している企業も数多く存在しております。
是非参考にしていただければと幸いです。